会話型サービス
より人間味のあるカスタマーサービスを目指して
テクノロジーのさらなる活用

顧客は、人間味のないロボット的なサービスを望んでいません。
顧客は気持ちの通じ合う人間的な対応を求めており、同時にそれまでのやり取りの内容が正しく会話に反映されることを期待しています。また他の全ての人間関係と同様に、同じことを繰り返して言わなければならなかったり、自分の話を聞いてもらえなかったり、あるいは何度言っても分かってもらえないと顧客は傷つき怒りを覚えます。
企業は、何か問題が起きた時の顧客とのやり取りを、その場限りで終わらせず次のチャンスにつなげる必要があります。消費者はいつでも自分の好きな時に会話を続けられるプラットフォームを使い慣れており、企業にも同じように問い合わせに対応してほしいと考えています。
しかし、多くの企業が会話型のアプローチの導入が急務であると認識している一方で、ほとんどの企業は会話型のアプローチで何ができるのか、またどうすればよいのかを本当には理解していません。
「顧客とのやり取りには貴重な情報が含まれていますが、そうした情報が一つの部門の内部にしまいこまれてしまうと他の部門のスタッフと有効に共有できません」
Zendesk 製品担当副社長 Mike Gozzo
会話型のカスタマーサービスは顧客との一つひとつのやり取りを大きな会話の流れへと紡いでいくものであり、その積み重ねが顧客とのより良い関係の構築につながります。会話型サービスの導入は単に新しいチャネルを追加するだけでは終わりません。多くの場合、組織内の様々な障壁が会話型サービスの効果的な運用を阻んでいます。
顧客の状況を理解するカギとなるこうした情報を活用できなければ、パーソナライズされたサービスや能動的なコミュニケーションが提供できないだけでなく、製品や戦略チームへの貴重なフィードバックの機会も逃すことになります。多くの消費者は毎回知らない人のような扱いを受けて不快に感じています。実際、60%以上の消費者は「たった一度でも不愉快な体験をしたらもうその企業は利用したくない」と答えています。このドキュメントでは、顧客、エージェント、ビジネスリーダー、そしてZendeskチームから得たインサイトをもとに、御社と顧客との間にある壁を取り除く方法をご紹介します。
顧客は企業と会話をしたいと考えています。

このレポートに使用されているデータは3つの情報源に基づいています:世界各地で行われた2種類のアンケート調査(3,500人の一般消費者を対象とした調査と4,600人のビジネスパーソンを対象とした調査)の結果に、97,500社のZendeskベンチマークの製品利用データを合わせた3種類の情報源により構成されています。
企業が会話を取りこぼさないようにするには
会話型サービスとは
会話型サービスはほとんどの企業にとってまだ馴染みのない新しいものですが、消費者にとってはこのような気軽に利用しやすいサービスは日常生活において当たり前のものとなっています。「私たちが友人や家族とやり取りする方法は昔とは違っており、その結果消費者の期待するものも従来とは変化しています。プライベートな会話が非常にリッチで自由なエクスペリエンスとなった今、企業とのやり取りもそうあるべきでしょう。それが、未来のカスタマーサービスのあり方です。」
消費者にとって、会話型サービスとはそれまでのやり取りを含めた全ての情報を把握してくれている企業とナチュラルに会話できるサービスです。

65%の企業が、エージェントが複数のチャネルで作業できるツールを追加したいと考えています。
企業にとっては、顧客が初めて問い合わせをしたり、またはWebサイトや実店舗を訪問した時からすべてのカスタマーエクスペリエンスを把握しコントロールできる手段です。テキストメッセージの履歴と同じように、すべての質問、コメント、回答が会話の一部として記録されます。これにより、企業は顧客についてよく理解した上で、パーソナライズされた能動的なコミュニケーションを提供することができます。
70%以上の顧客が会話型エクスペリエンスを期待する今、カスタマーサービスの未来はもうここに来ているのかもしれません。
消費者は、事務的に扱われることを望んでいません。企業に対し、それまでのやり取りを漏らさず把握してパーソナライズされたサービスを提供してほしいと考えています。具体的には:
多くの企業は未だあるべき基準に達していない
顧客が好きな時に、好きな場所で対応できるような会話を提供できていると回答した企業は40%未満でした。34%の企業が会話型サービスに必要な機能をすでに追加しているなど関心は高まっている一方で、多くの企業が会話型サービスに必要な基本要件さえ達成できていません。
例えば現在、カスタマーサービスプラットフォームをApple Business Chat、Facebook Messenger、WhatsAppなどの他のビジネスチャネルと統合している企業はわずか42%です。

多くの企業は未だあるべき基準に達していません。
よりよいビジネスを実現するための投資
90%のビジネスリーダーやマネージャーは、会話型カスタマーサービスをサポートするには現状を変えなければならないと認識しています。
企業によってニーズは異なりますが、多くの企業が必要だと認識しているのは次の3つの変革です。
カジュアルな会話を大きな成果につなげる
今の時代、単にチャネルを追加したり現状維持するだけでは不十分です。
多くの企業がカスタマーサービスの質で勝負するいま、何の手も打たずに後れを取るわけにはいきません。事業の成長や顧客との長期的な関係構築につながるカスタマーエクスペリエンス実現のため、リーダーは考え方とアプローチを見直す必要があります。

会話型カスタマーサービスの実現は、適切なツールとテクノロジーを導入することから始まります

既存のチャネルを見直し、また必要に応じて新しいチャネルを導入し、どのチャネルでも顧客が一貫性のある体験を得られるようにしましょう。
複数のチャネルで会話型サービスをサポートできる一元化されたプラットフォームが必要です。
問い合わせ件数が増えてきたら、AIや自動化機能を活用して営業時間外の質問への対応やリクエストのトリアージに取り組みましょう。チャットボットでは問題を解決できない場合でも、チャットボットは顧客の問い合わせを受け付けてスタッフが間もなく対応すると知らせて顧客を安心させることができます。
企業は改善が必要であることを認めています
企業は、ツールやテクノロジーの変更だけではなく現在のアプローチそのものを根本から見直す必要があります。


顧客との関係強化のために企業が自らに投げかけるべきなのは以下の3つの問いかけです。
フレキシブルな会話型エクスペリエンスを妨げている社内・社外のコミュニケーション障壁はどこにありますか?
いまあるカスタマーサービス体制について改めて考えてみてください。どうすれば、事務的ではなく、人間的な温かみのある対応をすることができるでしょうか?より自然でパーソナライズされたサービスの提供のために必要なデータを貴社のエージェントは入手できていますか?できていなかったとしても、それは貴社だけの問題ではありません。顧客との関係強化のために必要なチームと連携できていると回答したエージェントはわずか29%です。
どうすれば、よりパーソナルに顧客とやり取りすることができるでしょうか?
顧客をよりよく理解することで、何か問題が起きたときにその場限りの対応で終わらせず次のチャンスにつなげることができます。顧客との距離が縮まれば、カスタマーエクスペリエンス向上のためのもっと他の方法も検討できるようになります。
顧客との強固な信頼関係をどのようにしてビジネスの他の部分に活用できるのでしょうか?
顧客とのよりよい関係の構築は、製品やサービスの改善につながる課題や機会を見出してビジネス全体を前に進めるチャンスにつながりますが、それにはそうした顧客との関係を他の適切な部門と共有する必要があります。大切な顧客情報をサポートチーム内にしまいこまず、広く共有するようにしましょう。